納豆

大好きな作家の一人、椎名誠。
小学校時代に「岳物語」の「ボーンUSA!」にはらわたをよじらせ、その後は彼のエッセイを渡り歩き、
今でもたまに読み返しては電車の中で文庫片手にムフフとニヤけたりしている(アブナイ)。

最近読み返した本の中に「男たちの真剣おもしろ話」がある。
初版は昭和60年でAmazonでも新品が出てなかった。。。
言うところの対談集なんだけど、東海林さだおとの対談で東海林氏納豆について曰く・・・
「ここで重要なのはすぐ食べちゃだめなんです。(中略)かき回して十分くらい置いとくと美味しくなるんですよ。」
これがしばらくとても気になっていて。

ようやく今朝実行。

基本的に朝が弱く出かける前はいつもサバイバル・・・じゃなかったタイムトライアルなねずみやにとって、
すぐにでも食べられる朝食を10分寝かせるなんて悠長な話しは通常ありえないわけで、
今日は納豆のために早起きをしたのでした。

結論:たしかに美味い。

早起きをした達成感(?)もプラスに働いたのかもしれないけど。
かき混ぜてすぐは「まめー!」「いとー!」「だしー!」「からしー!」とそれぞれが主張している。
対して寝かせると、味がなじむというかなんというか、ムラがなくなっていて、
全体としてナットウ感を押し出しているのがいい。

東海林さだおの食べ物エッセイは、なんで活字だけでこんなに美味しそうになるのかと
いつも感動するけれど(擬音語・擬態語がまた最高)、あの繊細な表現は、こういう微妙な違いがわかり、
そのわずかなプラスアルファの「美味い」のために試行錯誤をしているであろうその姿勢に
裏打ちされているんだなぁ、とあらためて彼のすごさを感じた。

寝かせてる10分間に家事もはかどったりしてそんな副次的な効能付。
納豆好きの人、お試しあれ。