決して自慢で言うわけじゃないけれど、ねずみや、絵心は無い。
キッパリはっきり言うけど、無い。
ついでに言うと、字も汚い。
まぁそれはおいといて。

絵を描くのは苦手だけど眺めるのは好き。
ベタだけど笹倉鉄平とか鈴木英人とか、昔はラッセンとかヒロヤマガタとか。
シルクスクリーンの本物は買わなかったけど、ポスターとか画集とかは買ったりもした。

そのうちのひとつ、ヒロヤマガタのポスター画が入った額がうちに飾ってある。
・・・と最近まで思ってた。疑うことも無く。。。

ある日その絵が額の中で傾いてたからよく見ると、絵の横になにやら数字が。
普通の絵だったら通し番号が振ってあることはあってもあんなふうに数字は書いてない。
恐る恐る額をあけてみると、予感的中、その数字はカレンダーの日付。

コピーではあっても絵を買ったと思ってたのに、それはただのカレンダーの切れ端。
あのときねずみやが買ったのは「絵」じゃなくて「額」だったのか。
中身がメインだと思ってたのに、それはただの使用イメージのモック的なサンプルだったのか。
そんなことにもまったく気づかず、ご機嫌で飾っていたこの15年。

それでもこの15年、それをみて満足していたんだからきっと良しとすべきなんだろうな。
何にお金を払ったかではなくて、お金を払ったことで自分が満たされたことが大事なんだから。
無理やり気味に自分を強制納得させつつ、それでもささやかな落胆に襲われる男33歳。

下手なりに自分で何か描いてそれをあの額で飾ろうか、この際今のままにしておくか
目下悩んでいるところであります。